ミニマルデザイナーだけど一言物申したい

三年ほど前からミニマルに重きを置いてデザインをしているんですが…

 

最近のミニマリストと言われてメディアに出てる方々を見てると何か違うなぁ、と。

 

もちろんその人にとってそれがミニマルであるなら通るのがミニマルの世界でもあるんですけど。

 

 

本当に必要な情報だけを残すのがミニマルの根幹です。

 

自分には、過去に断捨離が流行った時のようにステレオタイプなミニマルが横行しているように思えるのです。

 

 

自分がテレビで見たミニマリストなるものの特集に、家の中にテーブルも椅子もカーペットもタンスもテレビも電話もないっていう人が出てたんですよ。

 

正直テレビも電話もないならこの人この番組のオファーをどうやって受けたんだって思ったんですが。

 

とにかく、家の中に家具らしいものが一切ない。

それが究極のミニマルとして紹介されていたんです。

 

 

いやいやいやいや違うよと。

それは情報と人間社会からの隔絶であってミニマルじゃないよと。

 

 

確かにテレビと電話はスマートフォンがあれば今の時代何とかなるかもしれないですが。

本人は来客とかもないのでテーブルと椅子もいりませんって言ってましたが、来客させないようにしているだけにも見えるんですよね。

 

 

ミニマルの考えを取り入れるミニマリズムは、必要最低限の要素で最大限効果を出すことなんです。

そしてそれが、外からも見えていなければ意味がないわけです。

 

じゃあ生活にミニマリズムを組み込むと、何が最大限の効果なのか

 

やっぱり生活満足度、幸福になるんじゃないでしょうか。

 

 

さきほどの究極のミニマルとして紹介されていた生活は、少なくとも私から見た場合、幸福な生活の要素があるとは思えないのです。

 

個人によって幸福の在り方は違いますが、少なくとも何も持たないことはミニマルライフではない

 

本当のミニマルは、良いと思えるものをきちんと見極めて、残ったものを10年20年先も古いものにさせない取捨選択とモノに込める心の在り方なんです。

 

 

ミニマルライフに憧れている人は「今の生活にいーらない!」と、ものを捨てるのではなく、「これから先、自分が本当に愛せるものは何かを選ぶ」という、残す側で考えてみてください。

 

 

 

と、必要最低限の情報だけを残して最大限の効果を出すミニマルデザインを公言してるカタナデザインとしては、最近メディアで取り上げられている形でのミニマルと混同してほしくなくて書きました。

 

簡素であり質実ではあるけれど、貧相なものにはしてないよ!

っていうことを表明するための今回の記事でした。