アルファ碁は電気羊の夢を見るか?

4勝1敗。

 

アルファ碁の勝ち越しか~!

どちらを応援してたとかではなくて、純粋に今はどっちがすごいんだ!?って気持ちで見てましたけど。

 

人類の敗北なんて書かれてますが、アルファ碁を作ったのもまた人間なわけで、これは「AI碁を作り出したAI技術集団の悲願成就」だと思うんですよね。

 

ちなみに対戦したイ・セドル棋士は囲碁界の魔王と呼ばれるレベルの世界最強棋士でした。

 

 

今日の書きたいことはタイトルの通りです。

 

アルファ碁は電気羊の夢を見るか?

 

そして

 

アンドロイドはデザインの夢を見せるか?

 

 1.アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?っていう書籍のパロディなんですけどね。

 

この作品の中では科学技術が発展していて、アンドロイド=人造人間は感情も記憶も持ち合わせている

だからアンドロイド自身に、自分はアンドロイドだという認識がない者もいる

という話なんです。

 

そしてこの作品で、そんな人間とほぼ同じアンドロイドと本物の人間を区別する方法が「他者と共感出来るか否か」となっている。

つまり感情移入が出来るか、出来ないか

 

近年、他者との共感が上手く出来ないコミュニケーション能力における発達障害というのが取りざたされていますが、それはまた置いといて。

そんな人は「俺は…アンドロイドだった…?」とは思わないように。

 2.他者との共感

 話を現代に戻して。

 

アルファ碁に関して、対局前に言われていた言葉

 

「人間にAI碁が勝てるわけがない。もし勝てたとしても碁の棋譜が持つ美しさまでは理解できない」

 

しかし対局後には、その碁の美しさを芸術とまで讃えた人が出てきた

 

そう。

他者と共感出来ることをしてしまったんです。

しかも強さを伴って。

 

 このアルファ碁を作ったのは、GoogleのAI技術集団、DeepMindです。

 

ここまでの強さを持った原因は、アルファ碁のプログラムにあります。

毎秒数万の手を読むこともそうですが、それ以上にすごいのは自己学習です。

 

過去の棋譜データを基に、アルファ碁自身が自分との対局を繰り返して、その棋譜も取り込んだ上で更なる対局を繰り返して…。

という無限ループによる棋力の向上を続けているんです。

 

これは人間が同レベルの棋士たちとの対局で研鑽を積むのと同じプロセスです。

 

人間と同じ思考をし、人間以上の記憶を持つ。

DeepMindが目指している究極の目標は「脳神経科学も織り交ぜ、知性を解明し、人間と同じ知性を持たせること」だそうです。

 

現在の人工知能のほとんどは、プログラムされたとおりに動き、プログラムの指示で学習するものです。

 

DeepMindの人工知能は自主的に学習するというプログラムが組み込まれています。

 

人間と区別が付かないアンドロイドは感情と記憶を持ち合わせている。

記憶の部分はほぼ完成された。

 

アルファ碁は電気羊の夢を見るためにまどろんでいる状態です。

 3.ニューロマーケティング

では感情の方は?というと

 

 

ニューロマーケティングというのがあります。

 

神経マーケティングとも呼ばれていますが、つまり

 

 

脳神経科学を基にマーケティングをすること。

 

?????

 

 

つまりで要約したは良いけど、それでもよくわかりませんよね。

 

ということで一例を。

 

2004年にコカ・コーラ派とペプシ派による研究がされています。

 

コカ・コーラが好きな人に、コカ・コーラだと伏せて飲ませた時とこれはコカ・コーラだと明示して飲ませた時とを比較しました。

 

すると、ブランド名を明示して飲ませた時は前頭葉に活発な活動が見られたんです。

つまり、コカ・コーラ派はコカ・コーラだと分かって飲むと美味しく感じられる

 

今度はペプシ派

同じく伏せた時と明示した場合。

こちらは、どちらでも前頭葉の活動に違いは見られなかったそうです。

 

このことから、コカ・コーラ派の方がブランド=ネームバリューに対する影響、興味が強いというマーケティング結果が得られた、というわけです。

スターバックスコーヒーの例

他にも、スターバックス好きの人に店頭で1.8ドルで売られているドリンクを値段を伏せて「いくらで買いますか?」というアンケートを取ったところ、一番多かったのが2.1~2.4ドルだったという結果があります。

 

これも、スターバックス好きにはネームバリューに対する付加価値を大きく感じる人が多いというマーケティングになります。

 

 

これの何が脳神経科学なのか。

 

それは、モノの好悪というのは無意識下の感情に起因するから、です。

 

 

さぁ、ついに感情の領域にアンドロイドが踏み込んできますよ。

 

もう少しだけ行きましょう。

 

 

脳波測定器を付けて人間の好みを見分ける研究もあります。

 

しかも最初に書いた部分。

 

 

デザインの分野で。

 

 4.デザインはコンピュータが行う時代に

自動車メーカーボルボの例

自動車メーカー、ボルボは脳波測定器を使ってこんなことをしました。

自社のボルボ・コンセプト・クーペの写真と泣いている赤ちゃんの写真を交互に見せます。

すると、74%の男性が車の写真に対して脳が活発に活動したのに対して、67%の女性は赤ちゃんの写真に脳が反応を見せたんです。

 

これは車体デザインに対する感情への訴えかけは、男性の方が高いという結果です。

 

男性が喜ぶデザインをした方が売れる!というわけですね。 

赤ちゃんの場合 

もっと感情の強さで生きる、赤ちゃんの場合

 

赤ちゃんに脳波測定器を使い、おむつの好悪を判別した結果もあります。

 

その結果では、赤ちゃんはおむつの素材や形状を肌触りで区別し「このおむつは気持ちいい」と実感している、と出ました。

 

さて、いよいよもって人間のデザイナーの価値が薄まってきましたよ。

記憶、学習に強さを持つDeepMindの人工知能。

感情を理解してマーケティングするニューロマーケティング。

この二つが組み合わさるとどうなるか。

 

人間の無意識下の感情を理解し、学習して最良の効果を発揮するマーケティングビジネスが生まれてしまうわけです。

 

はい、ここでまずマーケティング部が潰れました

 

 

そして、脳神経科学を基にしたニューラルネットワークテクノロジーというのがあります。

これは、電気信号で疑似的な脳神経回路を創り出し、それを解析する技術です。

 

これを使って、二つの絵を組み合わせて、まったく違ったタッチで絵を描き起こすものがあります。

 

モナ・リザの絵を最初に提示して、その後ゴッホの星月夜の絵を見せることで、ゴッホのタッチでモナ・リザの絵を描き起こす、といったような。

 

これによって「こういった感じで、こういった絵が欲しい」っていう、細かいニュアンスのデザインが出来てしまうんです。

 

 

この二つを組み合わせると…?

デザイナー不要の時代へ

はい、デザイナー消えましたー。

 

いや、結構極端だし、誇張してる部分もあるんですけどね。

 

それでも、近い将来デザインの分野で人工知能が使われると確信しています。

それも高い精度で。

 

 

そうなった時、すぐにデザイナーが廃業するかというと、それはまた別の話というか。

 

例えば、マーケティングとデザインを活用したいけど、どうやったら良いのか分からない人に向けたものとか。

 

 

自分自身、カタナデザインとデザイン事務所を名乗ってますけど、肩書は「プランナー」にしています。

 

これはいきなり「はいデザインしてください!」っていう依頼よりも「なんか良い方法ないかな?」っていう依頼の方が多いからです。

 

 

マーケティングをきちんとした方が効果が出る。

知っています。

 

デザインをきちんとすると効果が出る。

それも知っています。

 

じゃあ、どうやって?

 分からない。

 

今まで仕事をしてきた経験上、そういう人が多くいるわけです。

 

 

だからこそ、デザイナーはデザインをする前段階、何をどうしたらいいのかを一緒に考える。

デザインプランナーのような存在が一番重要視されてくるんじゃないか、と思ってます。

 

 

もちろん、プランを考えるのは営業の仕事だ!というような、営業とデザインが役割分担と意思疎通の両方をきちんと出来ている大きな会社はそれでいいんですけど!

 

 

私たちのような小さなところは一緒に考えて一緒に創り上げていくのが最善なんです!

 

 

ということで結論。

 

アンドロイドはデザインの夢を見せるか?

おそらく見せるでしょう!

 

でも

アンドロイドと人間が一緒にデザインの未来を見せる!

 

…んじゃないかなぁ…?

 

 

 

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